世界中に仲間がいる
9月4日(日)に桜蔭会国際交流奨励賞受賞者帰国報告会がオンラインで開催されました。最新の科学の世界をわかりやすい言葉でお話いただき、未知の世界の入口を覗くことが出来た貴重な時間となりました。
参加者の感想をご紹介します。
🌻量子力学と聞いて、「わかるかな?」と少し心配しながら参加しましたがとても分かりやすい説明で、研究を取り巻く環境や留学によってどのような成果を得られたのかが理解でき、心配は杞憂に終わりました。何よりも、若い研究者が志を同じくする仲間と出会い、議論し、協力していくさまが感じられて、私も頑張ろうというエネルギーをもらいました。
昨今、女子の理系離れが問題とされ、本学でも理系女子の育成に力を入れていると思います。私自身理系でしたが、お茶大にいる限りにおいては、自分が少数派だと感じたことがありませんでした。外を見回すと、リケジョは少数派で、少数派ならではの苦労もあると聞きます。女子大だからこそ自由に自分の好きな道を進むことができるという指摘がありましたが、お茶大が持つ価値と担う使命を改めて感じることが出来ました。
男女も国籍も年齢も目指すところも多様であることが当たり前で、多様な個性が出会うところに新たなものが生まれると感じた報告会でした。ありがとうございました。
🌷研究テーマや「素粒子標準理論」について、私自身は全くの門外漢です。けれど、高度な学究的国際交流へチャレンジされた経験談をお聞きできるまたとない機会を楽しみに参加させていただきました。分かりやすく簡潔な発表の組立てで、難解な内容の理解を迫られることなく、気持ちよくお話しに引き込まれ、若い方のプレゼンの清々しさに知的好奇心が大いに刺激されました。
国内ではまだまだ絶対数が少ないと言われている「理系女性」の研究者ですが、世界最大規模の素粒子物理学の研究所たる「欧州原子核研究機構(CERN)」では、半分は女性、所長も女性であることから、女性研究者が少数派でないことを確信し、世界中に仲間がいることを実感されたそうです。「世界中に仲間がいる」とは何て素敵なイメージでしょう!女性ならではの可能性も備えた、若々しい頭脳、感性、知性が、言葉や人種を超えて磨かれ合うことに大きく新しい未来を感じ、こちらまで気持ちが膨らみました。若者の内向き傾向が言われていますが、国際的に大きく飛躍する同窓の後輩の皆さんの活躍を心から応援させていただきたいとあらためて思いました。
フランスに隣接しスイス、ジュネーブに位置するCERN研究所へは、毎日、目の前の至近距離にも拘わらず、「国境」を越えて通われたとのこと。世界各国から集まった研究者が、テーマによってチームを組み、実験や議論を重ねるダイナミックな研究環境の様子に、少し専門分野が重なる夫は、部外者ながらこっそりZOOM画面を傍聴させてもらい、羨望のため息を漏らしていました。一方その横で、門外漢の私は、「CERN研究所」からダン・ブラウンの『天使と悪魔』を連想していました・・・世代、分野を超えて、想像の世界を楽しませていただきました。想像だけではなく、未来への展望も確信致しました。益々のご活躍を心からお祈りいたします。