わたくしことYasukoは、1986年数学科卒業後、日本銀行でシステムエンジニアとして勤務。子育てが終わった、2018年4月に早期退職。しかし、その年の12月に最愛の夫を交通事故で失ってしまいました。日々涙が止まらぬ悲しみの中、翌年5月にアルゼンチンタンゴと出会いました。最初は、こんなに密接に寄り添うペアダンスなんて、と驚いたものの、人の温もりに心癒されて、レッスンから帰宅後、あの日から初めて、「楽しかった」と呟いた自分がいました。

大学時代は、囲碁部に所属。その頃出会った囲碁棋士武宮正樹元名人がアルゼンチンタンゴを踊り、「囲碁もアルゼンチンタンゴも相手が同じでもいつも違う内容(対戦状況、違うステップ)になる所が面白い」という共通点を話しているのをYouTubeで観て、タンゴにはまった理由が腑に落ちました。昨年から、ミロンガ (日々、随所で開催されるダンスパーティー)にも行き始め、武宮元名人とも再会しました。

武宮元名人とミロンガにて

ミロンガ では、華を添えるドレスが必要ですが、自分に合ったサイズ、柄、デザインのものが少なく、自分で作り始めました。実は、数学科ではなく、被服科を専攻しようかと悩んだ時期もあったぐらい、裁縫は好きでした。
ドレスを何枚か作ったところで、友人だけでなく世界的有名なダンサーからも褒められ、今春、インスタ(@yasuko_tango_dress)を開設しました。何処かで販売会をしてほしいと言われることもありますが、踊る時間がなくなるので、まだ思案中です。でも、ミロンガ で私の作製したドレスを着て踊っているダンサーや友人を観ることも楽しみの一つです。

Photo by ミゲル

今年後半は、バリ島で開催されるフェスティバルでのコンペに参加したり、発表会に参加したりと踊る方でも忙しい日々です。タンゴは、足腰が丈夫になり、姿勢も良くなるし、またお洒落もできるし、女性としては、至福の趣味と感じています。アルゼンチン大使曰く、「タンゴは、悲しみを癒して人生を豊かにする」と。まさにYasuko の人生そのものかもしれません。(昭61数 小林康子)

ミゲル&シャネルとアルゼンチン大使館にて