ウイルス肝炎の疫学研究を通して
〜不思議之國で「異邦人」がみたもの:What an alien found there…〜
お茶の水女子大学数学科同窓会主催
【講師】田中 純子 先生 (S55数) 広島大学理事・副学長/特任教授
【開催日】 7月25日 (土) 13:30~16:30
7月26日 (日) 13:00~16:00
交流会(自由参加) 16:15~16:45
【会場】 お茶の水女子大学理学部2号館5F 507
【会費】 4,500円(在学生は無料)
★テキストはメール添付にてお送りします。
【申込み先】
Eメール ocha-u-math@mail.zaq.jp
件名は「夏期数学セミナー」
本文は ①数学セミナーへの参加を申し込みます。 ②氏名 ③郵便番号・住所 ④卒年・学科 ⑤職業 ⑥連絡用メールアドレス(2つまで可)を記載
【申込み締切】 7月11日(土)
※対面のみでの開催となります。
※申し込まれた方には、会費の振込先をお知らせします。
※昨年の実施報告は、第7回夏期数学セミナー報告をご覧ください。
【 セミナー内容】
疫学という学問は、2020年以降の新型コロナウイルスによる感染症の流行を通じて一躍社会に知られるようになりました。
人間社会の中で健康に関する異常な事態(有事)が発生した際には、それが重大かつ緊急な問題なのかを判断し、適切な対策を講じる必要があります。そのためにまず、「何が起こっているのか(event)」を明らかにし(発生の広がり、重症度、リスク集団など)、次に「なぜ起こったのか(cause)」を探ります(宿主、病因、環境)。その上で、現行の予防・医療体制で十分か、それとも新たな介入策が必要かを評価します。
この一連の過程を科学的に支える学問体系が「疫学」です。疫学では、数学的解析や統計学を用いて、指標の設定、リスク評価、疾患のモデリングなどを行います。また、エビデンスに基づく医療施策を立案するためには、適切な対象集団の設定、データ収集、サンプルサイズの算出、妥当な分析方法の選択が不可欠であり、疫学はその中心的な役割を担います。基礎医学・臨床医学の知識を融合し、人の健康を守るために対処していくことが求められている社会医学分野です。
さて、人へ感染する肝炎ウイルスのうち、B型とC型は慢性的な持続感染をすることにより重篤な肝疾患である肝硬変や肝がんになるリスクが高いことで知られています。ウイルスが発見される以前は、診断法も治療法もなく、肝がんは世界の主要死因の一つでした。しかし現在、世界保健機構(WHO)は、2030年までに「ウイルス肝炎の公衆衛生上の脅威を終息させる(Elimination)」という目標を掲げています。
セミナーでは、偶然にも医学分野に身を置くことになった「異邦人」として、疫学という視点からみた人と社会とのつながり、そして、2023年Elimination Champion※として評価されたウイルス肝炎の予防と対策に関わる研究成果などを紹介します。セミナーでは数式はほとんど用いません。
※ Elimination Champion:
世界規模での感染症対策に取り組む国際組織 Task Force for Global Health が、ウイルス肝炎の「Elimination(公衆衛生上の脅威の終息)」に顕著な貢献をした個人または機関に授与する国際的な表彰。2023年は世界から7名が選ばれ、その一人として表彰された。


