活動報告とワークショップのお誘い:「増野式サイコドラマ」と出会って

蓑手奈保美(昭51哲学卒)

(2023年7月)
私は、昭和51年に文教育学部哲学科を卒業しました蓑手奈保美(みのてなほみ)と申します。
地元の国立大学の数学科に入学したものの「存在」「心」「時間」「確かさ」など哲学的テーマが頭から離れず、翌年お茶大の哲学科に入学しました。卒論では「心身問題」を扱いましたが、その後「言葉の力」と「人と人とが関わることによって生まれる力」に関心をもち、そのような時に「増野式サイコドラマ」と出会いました(2003年)。「増野式サイコドラマ」とは、自分にとって大切な出来事や叶えたい希望などを安心できる仲間と一緒に即興劇で表現しシェアするワークです。言葉との出会い、人との出会いによって癒しと希望で心が満たされるこの「増野式サイコドラマ」に魅せられて日本心理劇学会初代会長増野肇氏に師事し、2017年からお茶大の共通講義棟で毎月1回「増野式サイコドラマ」のワークショップをおこなっております。

ワークの参加者が、「状況は何も変わらないにも関わらず回を重ねるごとにその人らしく輝き出すのはいったい何故だろう?」という疑問から、ビクトール・フランクルの実存分析を解明の糸口にして、2021年第51回日本芸術療法学会で「増野式サイコドラマはなぜ参加者の魂を揺さぶるのか?-その特徴と効果についての実存分析的視点からの考察-」というテーマで発表しました。「増野式サイコドラマ」の背景にある理論には「森田療法」・「来談者中心療法」・「危機理論」などがありますが、その根底に流れている考え方は「生きる意味と希望」を核に据えた実存分析の思想であり、それが増野肇氏の人間観、人生観のもとにあるからこその「増野式サイコドラマ」なのだとご参加者の変化から実感しております。その人の人生、つまりその人の存在そのものを尊重する本物の愛だからこそ人の魂を揺さぶるのではないかと。今後、医療機関や大学の公開講座でも「増野式サイコドラマ」をおこなうことになっております。この素晴らしい世界をより多くの方に体験していただきたいと願っております。
以下に、「増野式サイコドラマ」のワークショップをご案内させていただきます。ご参加を心よりお待ちしております!


【日程】 
8月27日(日)・9月24日(日) ・10月8日(日) ・11月19日(日) ・12月17日・1月21日(日)
(13:00~16:30終了・17:00退室)
*1回ごとに完結した内容ですので、単回のご参加も大歓迎です!
【会場】お茶の水女子大学 共通講義棟1号館 205室
【参加費】2,000円
【申込先】 ookinabara@celery.ocn.ne.jp
(蓑手サイコドラマLab代表 蓑手奈保美 教育カウンセラー)
*お名前、ご連絡先(電話 ・ E-mail)を明記して、Emailでお申し込み下さい。

【主な手法】
・安心できる仲間づくり:『自己紹介のサイコドラマ』『もう一つの地球』『どこでもドア』
・季節の行事や過去の思い出の中の自分との出会い:『クリスマスのサイコドラマ』 『お正月のサイコドラマ』『思い出レストラン』『思い出カルチャーセンター』
・ファンタジーの世界で望みを叶える:『魔法のランプ』『魔法のレストラン』『魔法の夜店』
・自分を客観視して悩みの解決法を見出す:『ロールクラスター 』『エンプティーチェアー』『守護天使』『曼陀羅』