2023.9.2

九月になり、やっと秋雨前線が南に下がって来てくれるらしい、とのニュースが報じられ、やれやれという思いです。大げさでなく、ただ生きて呼吸しているだけでも大変だったこの夏…今に私たちは、陽が出ているときは、ひっそりとシェルターに身をすくめ、陽が沈んでからやっと働いたり遊んだりするために外出する、そして日付が変わりそうになって慌てるシンデレラのように、日が昇る前に急いで帰り着く…ことになるのでしょうか!?
本当に、みなさま、いろいろと厳しかった夏を、どのように凌がれたでしょうか。

――そんな時、桜蔭会会報が届きました。みなさまのところにも届いたでしょうか?
表紙のわが「会長あいさつ」の暑苦しいまでの活字の詰まり具合はともかく、会員のみなさまからの、さまざまな「こんなことをやっています!」というお声が聞こえるような記事の数々に、涼やかな風が吹き抜けたような、そんな思いがいたします。
国文卒なので、短歌・俳句のコーナーは最後のお楽しみにとっておいて、ゆっくりゆっくり味わい、みなさまの日々の生活や心情を想像し、しばし沈思、です。
そして、「こんなことをやります!」という、桜蔭会の良さを体現するような秋の行事の数々も予告されていますね。

とりわけ、卒後30周年、40周年同窓会のお知らせには、賑やかに、いえ、賑やか以上に交歓されるみなさまのご様子が目にうかぶようで、つい頬がゆるんできます。というのも、一度、周年同窓会でご挨拶したことがあるのです、私。幹事のかたが、「会長があいさつするので、静粛に!」とおっしゃってくださっても、「わぁ、おひさしぶり!」「変わってないわね、ちっとも」の声々にかき消されるほど、お茶大OGの明るいエネルギーが満ちていました。美味しそうなフライドチキンの香りも満ち満ちていました。
私たち昭和48年卒は周年同窓会のシステムを逃してしまって、もう、同じ時を過ごしたはずの他学科他学部の同級生たちと一堂に会してお話しするチャンスはないのだ、と思うと、淋しくてたまりません。体育や語学や総合コースの授業や、サークル・自治会などでご一緒だった方々、ご一緒したことはなくても、東大や教育大の入試が中止になって、お山の上でも学生運動の嵐が吹き荒れていたあの頃を…。
伺ってみたいです、「卒業後はどんなふうにおすごしでしたか?」。
お話してみたいです、「私は、卒業した後はね、~~」。
暑さのせいでしょうか、なんだか目に汗が(笑)。

この秋の2つの周年同窓会、ご盛会を心よりお祈り申し上げます。

桜蔭会 会長 髙﨑みどり