2023.5.20

昨日、5月19日、桜蔭会関係の奨学金贈呈式がお茶大で行われ、出席しました。
久しぶりの対面で、大学側から学長をはじめ各理事・副学長、ご指導の各学科の先生方が出席。事務方の学生キャリア支援チームのセッティングで、「みがかずば奨学金」(30万円を2年間にわたって授与)11名、「学部生成績優秀者奨学金」(10万円授与)25名が名前を呼ばれ、学長から賞状を受け取りました。
奨学金を一緒に支える後援会の会長は欠席だったため、代表して私がこんな挨拶をいたしました。

「桜蔭会でございます。本日は、まだまだ諸事情が困難な中、久しぶりに対面での奨学金贈呈式を挙行していただき、学長先生をはじめ、執行部の先生方、担当事務の方々、ご関係の皆様に深く感謝申し上げます。

桜蔭会は、お茶の水女子大学卒業者、大学院修了者で構成される同窓会です。
桜蔭会の創設は、1904年(明治37年)で、もうすぐ創設120周年を迎えます。
大学創立よりずっと遅れて出来たのも、いかに女子だけの同窓会を設立、運営していくのが困難であったのかを示しております。
先輩たちの思いを引継ぎ、大切にしていきたい集まりであると思っております。

私たち卒業生は、在学中はさして、校歌の題名でもある「みがかずば」ということばを意識しないのですが、それどころか、お茶大は日本で一番校歌を歌わない大学ではないかと思うくらい、係り結びも間違えてしまうくらい、在学中は親しみが薄いのですが、卒業してから、何しろ私たちはみな真面目なので、何か大変な時に、ああまだ自分の努力が足りない、「みがかずば」だ、頑張ろう、などと思って自分を叱咤してしまうのですね。

120年の間、いろいろな災害や戦争、そしてまだまだ続く男性社会、といったいろいろな困難を、桜蔭会会員たちは、母校で学んだことを糧にして、母校に感謝しつつ、母校と共に乗り切ってまいりました。
卒業生おのおのは、それぞれの場所で努力を重ね、きちんと自分のなすべきことをしてきた、そういう「みがかずば」という卒業生たちの地道な積み重ねが、お茶大に対する社会からの厚い信頼につながっているのだと思います。

皆様に差し上げる奨学金は、みな会員の会費と寄附で賄われており、「みがかずば」を掲げて教育してくださった母校に対する恩返しともいえ、会員たちは自分たちの受けた厳しくも温かい愛情を、自分たちも母校に返そう、と思っているのです。そういう思いのこめられたこの奨学金をお受けいただき、少しでも皆さんの成長の糧としていただけますように願っております。

最近、私の手元に、令和3年、4年入学で、奨学金を受け取った方々が書いてくださった学生生活報告書が届けられました。そのおひとりおひとりの報告を見ますと、コロナにもめげず、語学や専門、将来を見据えた資格科目、自分を豊かにひろげるためのリベラルアーツやゼミや実習などの勉学の様子等々、充実した学生生活が綴られ、まさに自分を磨き続けた熱気が立ち上ってくるようで、おひとりおひとりのストーリーがとても嬉しく、日ごろの苦労を忘れる思いです。私たちは皆さんを励ましていると思っていたのに、逆に皆さんのほうに励まされているのですね。

また、3年生成績優秀者の皆さまも、大学生活後半戦に入り、決意を新たにしていらっしゃることでしょう。今日、ここに選ばれたご自分の力を信じて、まっすぐお進みください。辛いとき、苦しいとき、自分の力を信じられるのは本当に心強く幸せなことだと思います。

1年後2年後に、磨いて輝いた、皆様のキラッキラの報告をお待ちします。どうぞお体に気を付けてお励みください。皆様のさらなるご発展とご健勝をおいのりして、わたくしの挨拶とさせていただきます。」

という内容でした。皆様の会費やご寄付を原資にしている奨学金です。会員の皆様、他にどのようなことを後輩に伝えたいですか?是非ご教示くださいませ。

この「学生生活報告書」は、一方通行になりがちな奨学金給付の流れを危惧し、今年度から桜蔭会の奨学生の皆さんに書いていただいているものです。大学や所轄事務のかたがたのご協力を経て桜蔭会に届けられました。機会を見て、運営委員会や総会などで内容をお伝えしたいと思っております。
また、もし後輩に伝えたいことがおありでしたら、今募集中の「120周年記念エッセイ」に投稿していただくのも素敵ですね。是非ご検討ください。


桜蔭会 会長 髙﨑みどり